
研究内容
RESEARCH

私たちは、現在、3つのプロジェクトを軸として研究を進めています。

PROJECT 1
必要な場所で必要な量の生理活性物質を放出するJigSAPペプチドゲルの開発
東京農工大学・村岡教授との共同研究にて開発した11アミノ酸JigSAP(Yaguchi et al., Nat Commun, 2021)を基盤とした再生医療薬の開発に加え、抗がん剤の開発にも着手しました。脳梗塞の治療薬開発に関しては、東京科学大学・血管内治療学分野・壽美田教授との共同研究による医療展開に加えて、脳再生機序の解明も精力的に進めています。本研究では、JigSAPの分子集合能を駆使した分子集合体医薬という新しい創薬モダリティの創出を目指しています。


PROJECT 2
行動解析技術開発
東京科学大学・工学院機械系・前田教授との共同研究にて、新規行動解析アルゴリズム(Yokokawa et al., Proc IEEE ICMA, 2024)や関数解析を駆使して、脳梗塞モデルマウスや神経変性疾患モデルマウスの歩行や姿勢制御異常を定量化する技術を開発します。本プロジェクトは、神経系の創薬で必要不可欠な行動テストの根本概念を変える革新的技術へと開花させることを目指しています。


PROJECT 3
光遺伝学技術開発
東京大学・楊井教授との共同研究にて、フォトンアップコンバージョン技術(Sasaki et al., Angew Chem, 2019; Uji et al., Adv Mater, 2024)を駆使した、長波長照射による低侵襲性光遺伝学技術の開発を進めています。本研究では神経回路異常と姿勢制御異常の因果関係を解明する基盤技術へと開花させることを目指しています。


研究機器
FACILITIES
研究室にある実験装置の一部を紹介します。

共焦点顕微鏡システム
染色した脳切片や培養細胞を観察するための顕微鏡で、形態学的な定量解析もこのシステムを使って行います。

クリオスタット
脳組織や中枢神経系の培養組織の切片(10 μm前後)を作製する装置です。必要に応じて、③のビブラトームと使い分けています。

ビブラトーム
染色した脳切片や培養細胞を観察するための顕微鏡で、形態学的な定量解析もこのシステムを使って行います。

エレクトロポレーター
マウス胎仔の大脳皮質や胎仔から取り出した中枢神経組織へ遺伝子導入する装置です。必要に応じて、実体顕微鏡下で実験します。

クリーンベンチ(培養室)
多能性幹細胞や胎仔大脳皮質細胞などを無菌的に操作するための装置で、左側にあるインキュベーター内で細胞を培養します。

実体顕微鏡(培養室)
胎仔マウスの中枢神経組織を単離する際には実体顕微鏡下で作業します。